見積書が届いた=入居日OK?現役店長が教える“仮見積もり”の罠

不動産

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれる場合があります。
※内容は筆者の実体験と、現場で実際に起きている運用をもとにまとめています(物件や会社方針で例外はあります)。

こんにちは。不動産業界14年目、現役不動産店長のだいきです。
引っ越しの話って、やることが多すぎて頭がパンクしがちですよね。

その中でも、今日は“地味だけど致命傷になりやすい”やつを言語化します。
それが 「見積もりが来た=入居日がOKになった」 という勘違いです。

これ、揉めると最悪です。
お客様は「その日で進むつもり」になり、不動産会社は「まだ確約してない」つもり。
この温度差が、後からジワジワ効いてきます。

【この記事で分かること】

  • 見積もりを見て「入居日が確定した」と勘違いが起きる理由
  • トラブルになりやすい“新人営業マン”の落とし穴
  • 申込前〜見積もり受領時に必ず聞くべき「最強の質問」2つ
  • 不動産会社側も事故を防げる、メール本文テンプレ1行

なぜ「見積もり=入居日OK」と勘違いが起きるのか

結論から言うと、見積書の“起算日”が強すぎるんです。
見積書って、日付が入っているだけで「合意した資料」に見えてしまいます。

たとえば、お客様が「できれば入居日を遅らせたい」と希望している。
不動産会社側は「そこまで伸ばすのは難しいかもしれない」と話している。
でも、お客様から「とりあえず見積もりください」と言われる。

ここで新人がありがちな動きをすると、事故が起きます。

  • お客様の希望に寄せた日付で“仮”の見積もりを作る
  • 見積書のどこかに小さく「仮」と書いてある(あるいは書いてない)
  • でもメール本文に「仮です」「未確定です」が書かれてない

すると、お客様側の認識はこうなります。
「見積もりが来た。日付も入ってる。じゃあこの入居日でOKだ」

これ、悪意じゃなくて“自然な勘違い”なんです。

もし担当者が頼りないな…と感じたら、こちらの記事も参考にしてください。

見積もりは「金額の見本」であって「入居日の確約」ではない

ここ、現場の本音を言います。
見積もりって、基本はこういう位置づけです。

  • この条件・この入居日になった“場合”の概算
  • 何が確定して何が未確定かが混ざりやすい資料
  • 特に退去前や工事絡みの物件は、日程が最後まで揺れる

つまり、見積書にある日付は「入居日の約束」じゃなくて、「日割り家賃を計算するための“仮の数字”」に過ぎないんです。

ここを勘違いすると痛い目を見ます。
なぜなら、本当の入居日は、目の前の営業マンの“一存(いちぞん)”では決められないからです。

実際に入居できるかどうかを決めるのは、裏側にいる人たちです。

  • オーナーの最終承認
  • 管理会社の審査進捗
  • クリーニング業者のスケジュール
  • 鍵交換の手配

この全員の準備が整って初めて、日付は確定します。
営業マンひとりが「たぶんこの日で大丈夫っしょ」で決められる話じゃないんです。

特に「先行申込(まだ中が見れない物件)」の場合は、さらに入居日がズレ込むリスクがあります。

お客様が損しないための「最強の質問」2つ

ここからが本題です。
この手の“すれ違い事故”は、質問2つでほぼ止められます。

質問①「この見積もりの入居日は“確定”ですか?それとも“仮”ですか?」

これを聞くだけで、担当者は必ず整理して答えます。
そして、もし仮なら「確定条件は何か」もセットで聞けます。

  • 退去日確定後に確定します
  • 工事日程が出たら確定します
  • オーナー承認が取れたら確定します

質問②「確定できないなら、“いつ確定しますか?”を教えてください」

ここがポイントです。
入居日を“今すぐ確約して”と詰めると、空気が悪くなることがあります。
でも「確定タイミング」を聞くのは実務として正しいです。

これを聞けば、あなた側の段取り(引越し業者、会社の休み、ライフライン)も組めます。
最悪、確定が遅いなら「別の物件に切り替える判断」もしやすくなります。

逆に、こういう確認もせずに「俺は客だぞ!」と無理を言うと、最悪の場合「入居お断り」になるリスクもあります。気をつけてくださいね。

【関連記事】「うわ、この客ヤバい…」現役不動産店長が明かす、絶対に損する『嫌われる客』の特徴7選

不動産会社側も、メール本文に“たった1行”入れるべき

ここは店長として、同業にも言いたいです。
見積書の端っこに「仮」って書いても、読まれないことがあります。
だから、メール本文に1行必須です。

▼コピペ用テンプレ(最強に角が立たないやつ)

※本見積は、入居日・条件が確定した「場合」の概算(仮)です。入居日の確定は◯◯の確認後となります。

これを入れるだけで、「勘違い」は激減します。
お客様も、あとで嫌な気持ちにならずに済む。
店側も、変な謝罪や火消しが減る。
誰も損しません。

それでも勘違いが起きたときの“着地”のさせ方

もしすでに認識ズレが起きてしまった場合。
お客様側も店側も、正面衝突すると消耗します。

このケースの落とし所は、基本これです。

  1. 「見積は仮」だった事実は丁寧に説明する
  2. ただし、誤解の原因(本文に書いてなかった等)が店側にもあるなら、そこは認める
  3. 代替案を出す(確定までの目安、別日の候補、短期の調整案)

ここで大事なのは、勝ち負けじゃなくて「現実的に次に進むこと」です。
引越しは段取り勝負なので、感情で長引かせるほど損します。

まとめ:見積もりを受け取ったら、確認すべきは“金額”より“確定条件”

最後に要点をまとめます。

  • 見積もりの日付は「確定」に見えやすいので、勘違いが起きます
  • 見積もりは基本「金額の目安」であり「入居日の確約」ではありません
  • 損しないための質問は2つだけ
    • 「確定ですか?仮ですか?」
    • 「いつ確定しますか?」
  • 店側はメール本文に1行添えるだけで事故が減ります

入居日って、生活の全てに直結します。
だからこそ、ここは“遠慮せずに確認してOK”です。

不動産会社も敵じゃありません。
ただ、現場は忙しいときほど、言葉が足りなくなります。
だから、お互いにズレないための“確認”だけは、最初にやっておく。

これが一番ストレスが少ないです。
あなたの引越しが、無用なトラブルなくスムーズに進むことを願っています!

この記事を書いた人
現役不動産店長
アバター画像

現役の不動産店長(業界14年・宅地建物取引士/2児のパパ)。
普通の不動産屋が口が裂けても言わない「業界の裏側」を、本音で発信しています。

「なぜ、あんな返答が返ってきたのか?」
「営業マンは、裏で何を考えているのか?」

お客さんからは見えない不動産屋の本音と事情を、
現場で毎日判断している店長の視点で、包み隠さず解説。
きれいごとは抜き。家探しで損したくない人のためのブログです。

だいきをフォローする
不動産
だいきをフォローする
タイトルとURLをコピーしました