「管理費払ってるんだから直せ!」は間違い?現役店長が教える『管理費・共益費』の本当の意味と“総賃料”で見ないと損する理由

不動産

※当サイトは一部の記事で紹介リンク(アフィリエイト)を利用しています。

部屋探しの相談でいちばん誤解が多いのが「管理費って何に使われてるの?」という話。 結論から言うと、募集側(不動産屋・大家)にとって管理費は“ただの賃料の一部”です。ここを誤解すると、入居後のモヤモヤや、物件選びの失敗につながります。今日は現場の本音で整理します。

管理費は“総賃料”の内訳にすぎない

  • 募集側の見方はシンプル:家賃80,000円+管理費5,000円=総賃料85,000円。
  • 名目が分かれていても、私たちは総額でしか見ません。
  • 「管理費で共用部の費用を賄ってるんでしょ?」という感覚は、現場の運用とはズレます。共用部の維持は契約・管理の義務であり、管理費という“名目”の有無とは直接連動していません。

なぜ分けるの?——“値札の付け方”だから

  • 多くの検索条件は「家賃〇万円まで」。
  • 家賃85,000円(管理費0)」はヒットせず、「家賃80,000円(管理費5,000)」はヒットします。 つまり、露出を増やすための募集テクニック。見え方の問題であって、実態は同じ「総賃料85,000円の部屋」です。

「管理費払ってるんだから直せ!」が通らない理由

  • 入居者の主張:「共用灯が切れてる。管理費5,000円払ってるんだからすぐ直せ」
  • 管理側の本音:「その5,000円は“総賃料の一部”です」。
  • 共用部の不具合を直すのは当然の義務。ただしそれは「管理費を貰っているから」ではなく、建物管理・賃貸借の基本義務だから。
    ※例えば、ベランダ(共用部)の避難経路が塞がれていないかを管理するのも、大家・管理会社の重要な義務の一つです。【関連記事】
  • なので、要求の伝え方は「管理費を払っているから」ではなく「共用部の不具合があり、管理としての対応をお願いします」が正解。話が早く、無用な衝突を避けられます。

比較は“総賃料+毎月かかるその他費”で必ず並べる

  • 家賃80,000+管理5,000=85,000
  • 家賃85,000+管理0=85,000 → ラベル違いで実質は同じ。
  • さらに毎月のその他費(24時間サポート、町会費、駐輪場、ネット定額など)があれば、「総賃料+その他月額」まで足して比べるのがコツ。 総額比較の例(シンプル版)
  • A物件:家賃80,000/管理5,000/ほか月額1,100 → 計86,100円
  • B物件:家賃83,000/管理0/ほか月額3,300 → 計86,300円
    →家賃が安く見える”Aですが、総額で見るとBとほぼ同じです。表面的な家賃設定に振り回されないでください。

現場クレームから学ぶ“よくある勘違い”Q&A

Q. 管理費は共用の電気代や清掃費に必ず使われる?

A. 使途を「管理費だから」と名目で縛る運用は一般的ではありません。 共用維持は管理の基本義務で、名目に関係なく対応します。

Q. 管理費が高いほど建物の対応が良い?

A. 連動しません。 対応品質は管理体制とオーナーの方針次第。内見時の共用部の“今の状態”を見る方が確実。

Q. 管理費0円の方がお得?

A. 総額で見れば同じことが多い。 「その他月額」が乗って結局同水準、もよくあります。

Q. 管理費を理由に特別対応は頼める?

A. 交渉は可能ですが根拠は“名目”ではなく“契約と実害”。 状況を具体的に伝えるのが近道。

損しないためのチェックリスト

  • 物件を比べる時は、家賃だけでなく「総賃料(家賃+管理)+その他月額」の合計額で計算したか
  • 内見時に共用部(廊下・ゴミ置場・掲示物・郵便受け)の“今”を見たか
  • 募集文言と実態にズレがないか(ネット無料・宅配ボックス等)
  • 迷ったら、総額が同じなら立地・日当たり・階数・設備の満足度で決める(名目ではなく体験価値)

関連して読んでほしい

「家賃が安い」にも必ず理由があります。“安さの裏”を知っておくと、名目に振り回されません。 → 『格安物件』の本当のリスク

まとめ

管理費・共益費は“共用部のための積立金”ではなく、総賃料の内訳ラベルにすぎません。募集側は総額でしか見ていない——だからあなたも“総賃料+その他月額”だけを見る。そうすれば、無駄な期待も、見かけの安さに釣られる失敗も減ります。

タイトルとURLをコピーしました