みなさん、正直に言ってください。
引越しの契約時に渡される「重要事項説明書」や「賃貸借契約書」。
あの細かい文字がびっしりの分厚い書類、一言一句ちゃんと読んでますか?
……読んでないですよね(笑)
不動産屋の私が言うのもアレですが、あれを読むのは普通にしんどいです。
「甲は乙に対し〜」とか始まった瞬間、意識が遠のく気持ち、めちゃくちゃ分かります。
でも、ふと思ったことないですか?
「なんでこんなに細かいことまで書いてあるの?」って。
「ペット飼育禁止」だけならまだしも、
「爬虫類・昆虫の飼育禁止」「共用部への私物放置禁止」「深夜の演奏禁止」……
「いや、常識でしょ?」と言いたくなる項目まで、これでもかと並んでます。
実は、あの分厚さにはちゃんと理由があります。
今日は現役店長として、契約書の裏側にある“細かいルールの正体”を、分かりやすく話します。
この記事で分かること
- なぜ賃貸の契約書はあんなに分厚くて細かいのか
- 実在した「伝説の迷惑入居者」たちのエピソード
- そのルールが、実はあなたを守る“盾”になる理由
その「1行」の裏には「1人の伝説」がいる
結論から言います。
契約書に新しいルールが1行追加される時って、
「誰も想像しなかったことをやらかした人が、過去にいた」
このパターンが本当に多いです。
不動産会社も管理会社も、好きで契約書を分厚くしてるわけじゃありません。
紙も増えるし、説明も面倒だし、正直こちらとしてもラクじゃない。
それでも書かなきゃいけないのは、
「書いてないならOKですよね?」っていう主張が、現場で実際に出てくるからです。
例えば、私が実際に見聞きした(もしくは同業から聞いた)ケースで言うと……。
「ペット不可」だけじゃ足りなかった
昔は「ペット不可」とだけ書いてある契約書もありました。
普通はそれで通じます。犬猫ダメってことですから。
でも、ある日こういう主張が出ます。
「『ペット不可』って、吠えたり壁を傷つける犬や猫の話でしょ?
こいつは『爬虫類』でカゴから出さないから関係ないだろ!」
……いやいや、すごい俺様ルール!!(笑)
「カゴや水槽に入ってる生き物は家具と一緒でしょ?」という謎理論です。
もちろん現場としては止めたいんですが、
契約書の文言がふわっとしてると、揉めるんです。時間がかかる。
で、こういうトラブルが起きたあとに、契約書が進化します。
「犬猫に限らず、一切の動物(爬虫類・両生類・昆虫等を含む)の飼育禁止」
やたら具体的な一文が増えるのは、だいたいこういう理由です。
「バルコニーで火気厳禁」にも理由がある
これも「普通やらないでしょ」と思うんですが、
ベランダで火を使ってトラブルになったケースも実際にあります。
煙や臭いで揉めるのはもちろん、
マンション・アパートだと火事リスクが跳ね上がります。
そういうことがあると、契約書にこう刻まれます。
「バルコニー・専用庭を含む敷地内での火気使用禁止(花火・BBQ等)」
「そこまで書く?」って思うやつほど、だいたい過去に何かありました。
「書いてないからOK」という主張との、終わらない戦い
契約書が分厚くなる最大の理由はこれです。
「契約書に書いてないことは自由」
という考え方をする人が、一定数いる。
- 部屋で教室をやるのは禁止って書いてない
- 友人を集めて毎晩パーティーするのは禁止って書いてない
- 廊下に私物を置くなって書いてない
現場は、こういう“言葉の穴”を突かれて揉めてきました。
だから条文が増えます。
- 居住目的以外での使用禁止(事務所・教室等)
- 近隣への迷惑行為禁止(騒音・振動等)
- 共用部への私物設置禁止
つまり、あなたの手元にある契約書は、ある意味こうです。
「過去に起きたトラブルを、二度と起こさないための記録」
細かい条文の羅列は、管理会社やオーナー側の
「もう頼むから揉めないでくれ…」という経験の集大成でもあります。
結論:まともなあなたを守る「盾」になる
ここまで読んで、「そんな人いるの?」って不安になった人もいるかもしれません。
でも、逆です。
契約書がしっかりしている物件ほど、
“守りが堅い”とも言えます。
もし隣の部屋で、常識外れのことをする人が出てきた時。
契約書がスカスカだと、「書いてないから」で押し切られて、あなたが苦しくなることがあります。
でも、条文が整っていれば違います。
「契約書のこの条項に違反しています」
この一言が言える。
これは入居者同士のトラブルでも、管理会社側が動きやすくなるし、
結果的にあなたの生活の平和を守りやすい。
だから契約書の読み合わせの時、
「細かいなぁ…」って思ったら、こう考えてください。
「これ、過去に何かあったんだろうな」って。
そして最後に。
あなたが普通の常識を持って生活している限り、
その禁止事項の99%は、気にしなくていいです。
むしろ、“変な人が暴れた時に効く保険”として置いてある。
そう思うと、あの分厚い契約書も、ちょっと見え方変わりますよ。


