初期費用を安くする裏ワザ。「AD(広告料)」って何?現役店長が教える最強の交渉術

不動産

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれる場合があります。
※内容は筆者の実体験と、現場で実際に起きている運用をもとにまとめています(物件や会社方針で例外はあります)。

引越しの初期費用、少しでも安くしたいですよね。
SNSやネットでは「仲介手数料は法律で決まってるから交渉して安くさせろ!」「言ったもん勝ちだ!」という情報があふれています。
これを見て、「次の引越しは絶対に交渉して安く済ませるぞ」と思う方もいるはずです。

この記事で分かること

  • ネットには載っていない「AD(広告料)」の本当の仕組み
  • 不動産屋が特定の物件を猛プッシュしてくるリアルな裏事情
  • 初期費用を確実に安くするための、営業マンへの「魔法の質問」
  • 不動産屋を味方につけて、賢く部屋探しをするプロの交渉術

こんにちは。不動産店長のだいきです。
結論から言います。
不動産屋に行って無闇に「仲介手数料を安くしてください!」と言うのは、実は一番やってはいけないNG行動です。これをやった瞬間、人気物件を逃す確率が一気に跳ね上がります。

初期費用を確実に安くしたいなら、ただ値切るのではなく、業界用語の「AD(広告料)」の存在を知ってください。
今日は、一般のお客さんは絶対に知らない「AD」の裏側と、不動産屋が喜んで値引きしてくれる魔法の質問を、現役店長がこっそり暴露します。

▼ 次に読むと損しません

ネットには載っていない「広告料」の正体

そもそも、不動産屋はどうやって利益を出しているか知っていますか?
基本的には、お客さんが部屋を契約した時にいただく「仲介手数料(家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分)」がメインの収入源です。

しかし、実はもう一つ、大きな収入源があります。それが「AD(エーディー)」と呼ばれるものです。
ADとは、簡単に言うと「大家さんから不動産屋に払われるボーナス」のことです。

大家さんからすれば、部屋が空室のままだと家賃収入がゼロです。「なんとか早く入居者を決めてほしい!」と焦っている大家さんは、「うちの物件を決めてくれたら、特別に家賃1ヶ月分を不動産屋さんにボーナス(AD)として払うよ!」と条件をつけることがあります。

つまり、このADが付いている物件は、不動産屋にとって非常に「おいしい物件」なんです。お客さんからの仲介手数料に加えて、大家さんからのボーナスもダブルで入ってくるからです。

現役店長が明かすリアルな懐事情

ここで、同業者が絶対に言わない裏側の話をぶっちゃけます。

もし、ADが「家賃1ヶ月分」付いている物件があったとします。
この物件なら、極端な話、お客さんからいただく仲介手数料を「半額(0.5ヶ月分)」に値引きしたとしても、不動産屋の手元には「AD1ヶ月分+仲介手数料0.5ヶ月分=合計1.5ヶ月分」の利益がしっかりと残ります。
だから、AD物件であれば、不動産屋も余裕を持って、喜んで初期費用の交渉に応じることができるんです。

しかし、逆もまた然りです。
人気の物件などで「ADが全くない(ゼロの)物件」の場合、お客さんから「仲介手数料をまけてよ」と言われると、不動産屋の利益がゴリゴリ削られるだけになります。
私たちもボランティアではなくビジネスでやっています。利益が出ない仕事はできませんから、最悪の場合「このお客さんは面倒だな。他に行ってくれないかな」と内心思ってしまいます。
これが、無闇に値切ってはいけない最大の理由です。

不動産屋が広告料付き物件を猛プッシュする瞬間

「なるほど、じゃあ不動産屋は自分たちが儲かるAD物件しか紹介しない悪徳業者なんだな」と思うかもしれません。
これ、半分本当で半分嘘です。

実は、お客さんが事前にネットで調べて「この物件を見たいです」と名指ししてきた場合、それがADゼロの儲からない物件だったとしても、基本的にはネガキャン(悪いところを言って諦めさせること)はしません。
なぜか?
不動産屋が一番恐れているのは、「契約を逃すこと」だからです。

お客さんが「これを見たい」と言っている物件が、一番成約する確率が高いのは当然です。それなのに、無理にAD物件を勧めてお客さんを迷わせ、「やっぱり今回はやめておきます」と帰られてしまうのが、一番の痛手なんです。
目の前の「確実な売上(仲介手数料)」を捨てるようなバカな真似はしません。

お客さんが比較検討に入ると営業マンの顔が変わる

じゃあ、いつ営業マンはAD物件を猛プッシュするのか?
それは、お客さんが「1から物件を探している時」や、「AとBの物件で比較検討している時」です。

例えば、お客さんが「A物件(お客さんの希望・ADなし)」と「B物件(条件が似ている・ADあり)」の2つで迷っていたとします。
この瞬間、営業マンの頭の中では電卓が弾かれています。
「B物件で決まれば、大家さんからのボーナスが入る!」
こうなると、営業マンは全力でB物件の良さをアピールし、そっちに誘導しようと頑張り始めます。これが不動産屋のリアルな脳内です。

賢いお客さんがやっているプロへの「相談の仕方」

では、この裏事情を知った上で、どうやって立ち回り、どう交渉するのが正解なのか?

大前提として、不動産屋に「他にいい物件ありませんか?」と提案をお願いすること自体は、全く悪いことではありません。むしろ、お客さんの希望を聞いて物件を探すのが私たちの仕事です。

ただ、不動産屋に「おまかせ」をした時、営業マンの頭の中で何が起きているかは知っておいてください。
あなたの希望条件に合う物件が複数あった場合、営業マンは当然、自社の利益になる「AD付きの物件」から優先して提案します。これはビジネスとして当たり前の動きです。

なので、もしあなたが「初期費用をとにかく安くしたい」のであれば、ただ丸投げするのではなく、物件を比較検討している時に、営業マンにこう聞いてみてください。

「この候補の中で、仲介手数料など初期費用をご相談できる物件はありますか?」

営業マンの「建前」の裏側を見抜け

この聞き方が、現場で最も効果的な最強の交渉術です。
これを聞かれた不動産屋は、「おっ、この人はただ無闇に値切る客じゃないな」と一目置きます。

もちろん、営業マンは口が裂けても「大家さんからボーナス(AD)が出ているので安くしますよ」なんて言いません。
その代わり、こう言ってくるはずです。
「こちらのB物件でしたら、うちの会社の『特別キャンペーン』ということで仲介手数料を半額にできますよ」
「このB物件なら、私が店長に掛け合って、初期費用を抑えられるように特別に頑張りますよ!」

これが不動産屋の「建前」です。でも、この記事を読んだあなたなら、なぜ営業マンが急にB物件で「特別に頑張ってくれた」のか、もうその「本当の理由(裏側)」がわかりますよね。

無闇に「安くしろ!」と値切って嫌がられるのではなく、不動産屋の利益(AD)もしっかり守れる物件をスマートに引き出すこと。お互いが損をしない着地点を見つけるのが、プロが教える最強の交渉術です。

まとめ:不動産屋を味方につけて賢く引越そう

不動産屋も人間です。「法律違反だ!利益を削って安くしろ!」とネットの知識を振りかざして権利を主張されると、防衛本能が働いて心を閉ざしてしまいます。
しかし、「お互いに損をしない物件」を上手く聞き出してくれる賢いお客さんには、自社の利益を削ってでも全力で応えたくなります。

不動産屋を「敵」にして戦うのではなく、彼らの「確実に契約したい」「ADで利益を出したい」という心理をうまく利用して、あなたが一番納得できる最高の部屋を賢く勝ち取ってください。

この記事を書いた人
現役不動産店長
アバター画像

現役の不動産店長(業界十数年・宅地建物取引士/2児のパパ)。
普通の不動産屋が口が裂けても言わない「業界の裏側」を、本音で発信しています。

「なぜ、あんな返答が返ってきたのか?」
「営業マンは、裏で何を考えているのか?」

お客さんからは見えない不動産屋の本音と事情を、
現場で毎日判断している店長の視点で、包み隠さず解説。
きれいごとは抜き。家探しで損したくない人のためのブログです。

だいきをフォローする
不動産
だいきをフォローする
タイトルとURLをコピーしました