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※内容は筆者の実務経験に基づく一般的な情報です。個別案件は契約書・管理会社の案内をご確認ください。
【この記事で分かること】
- 「おとり物件」に見える現象が起きる“本当の理由”
- 「タッチの差」は言い訳なのか?現場で起きていること
- 通報が効くケース/効かないケースの見分け方
- 結局、部屋探しで一番得する立ち回り
※ここで言う「通報」って、消費者庁とか大げさな話じゃありません。SUUMOやHOME’Sなど、ポータルの「掲載内容の違反報告」のことです。
「ネットで見つけた部屋を問い合わせたら『空いてます』と言われたので、翌日お店に行きました。」
「そしたら担当者が出てきて、『あー、今朝タッチの差で埋まっちゃいましたね〜』と言われた。」
「これって釣り物件(おとり物件)ですよね?ムカつくから違反報告していいですか?」
ネット上には、こういう怒りの声と、「不動産屋は嘘つきだ!」「全部ワザとやってる!」みたいな記事が溢れています。
正直、現役の不動産店長(宅建士)として、この状況にはうんざりしています。
あまりにも業界全体が“言われっぱなし”で、真面目にやっている人間まで「詐欺師」扱いされるのが本当にキツい。
だから今回は、誰も声をあげない不動産業界を代弁して、私が本音で書きます。
でも現場で見てる限り、あれって最初から騙すつもりというより、タイミングのズレや確認ミスで起きてることが多いです。
ただ、もちろん“全部が事故”ではありません。
だからこの記事では、「事故っぽいのか」「アウトなのか」を見分ける基準と、損しない動き方をまとめます。
そもそも、今の時代に「釣り」をやるメリットは皆無
まずこれだけは言わせてください。
今の時代、わざと架空の物件を載せる「釣り」をやっている業者は、絶滅危惧種です。
理由はシンプル。リスクとリターンが釣り合わないからです。
- ポータル(SUUMOやHOME’S等)の監視・規制がめちゃくちゃ厳しい
- 見つかったら掲載停止(=集客ゼロで死ぬ)のリスク
- ライバル業者が監視していて、違反を見つけたら通報される
こんな状況で、命がけで釣りをするメリットなんて普通はありません。
それでも「行ったらなかった」が起きるのは、騙そうとしているからではなく、もっと物理的な理由です。
理由①:システム更新の「タイムラグ」はどうしようもない
一番多い原因がこれです。
不動産屋が「あ、埋まったな」と分かった瞬間に、ネットが即消える…と思われがちですが、現実は違います。
ざっくり言うと、こういう“バケツリレー”があります。
- 店側で「終了」操作をする
- 自社のシステムが更新される
- データがポータル側へ送信される
- ポータル側で反映処理がされる
- ようやくサイト上から消える
この間に、どうしても数時間の「空白の時間」が生まれます。
この魔の数時間で、あなたがネットを見て「あ、空いてる!」→問い合わせてしまう。
結果、「おとりに見える」んです。
ここを「嘘ついた!」と言われると、現場はかなりしんどい。
嘘じゃなくて、仕組み的にリアルタイム反映が無理なだけだからです。
理由②:「タッチの差」は、言い訳じゃなくて本当にある
「タッチの差で決まりました」
これ、客側からすると一番イラッとする“嘘くさい言い訳”に聞こえますよね。
でも現場にいると断言できます。
これ、本当によくあります。嘘でもなんでもなく、日常茶飯事です。
特に繁忙期は戦場です。
- 朝イチで確認した時は空いていた
- 昼までの数時間で他社が申込を取った
- 内見に行ってる最中に決まった
- 同時に別ルートで申込が入った
こういうことが普通に起きます。秒単位で起きます。
店に来てすぐ「埋まりました」と言われた時、店員側も内心こうです。
「うわ…マジかよ…今の今まで空いてたのに…気まずい…」
そこで「釣りだ!詐欺だ!」と決めつけられるのは、正直つらいです。
現役店長が断言。「ミス0」の不動産屋は存在しない
あえて言い切ります。
悪意がなくても、結果的に「ない物件」が載ってしまう事故は、どこの不動産屋でも必ずあります。
0の業者は存在しません。システムを使っている以上、不可能です。
もちろん中には、管理がズボラで終わった物件を放置する業者もいます。
でも「行ったらなかった=全部釣り」と決めつけると、判断を外します。
だから見てほしいのは、ミスが起きたことよりも、その後の対応です。
- 「申し訳ありません!」と誠実に謝り、必死に代案を探す → 良い業者
- 「ないっすね〜」で終わって、雑に別の部屋を押しつける → ダメ担当
同じ会社で「成約済みの放置」や「内容違い」が何度も続くと、ポータル側から“要注意”扱いされやすくなります(是正依頼が続いたり、公開が止まったり、最悪掲載自体が止まることも)。
「通報していいの?」結論:効く時と、空振りしやすい時があります
※先に「効く/効かない」の意味を整理します
ここで言う「効く/効かない」っていうのは、通報した瞬間に不動産屋が即アウト…みたいな話じゃありません。 ポータル(SUUMOやHOME’Sなど)の違反報告は、ざっくり言うと履歴(ポイントみたいなもの)として蓄積されます。
そして同じ店で、「そもそも存在しない物件」や「決まっているのに載せっぱなし」みたいな報告が重なると、 ポータル側のチェックが入りやすくなり、是正の連絡や掲載の制限などに繋がることがあります。
逆に、更新のタイムラグみたいな“事故寄り”だと、通報しても「修正しました」で終わりやすい。 なのでこの記事では、どっちのタイプかを見極めるところから話します。
まず判定:これは「事故」か?「黒」か?
✅ 空振りしやすい(事故寄り)
- 問い合わせたら「ついさっき決まりました」と言われた(本当に直近)
- 別の部屋・別条件なら出せる(同じ建物の別部屋など)
- 物件情報が“ほぼ一致”していて、更新だけ追いついてない感じ
⚠️ 効きやすい(黒寄り)
- 何度問い合わせても「その部屋は無理」で終わり、代わりに別物件へ誘導される
- 条件が明らかにおかしい(相場より異常に安い等)&いつまでも残っている
- 同じ店で「別の物件」も同じパターンが続く
- 掲載情報と説明がズレすぎている(賃料・初期費用・入居時期など)
正しい対処手順(これでOK)
-
① まず店に確認(感情は一旦しまう)
「掲載を見て問い合わせました。すでに決まっていますか?いつ決まりましたか?」で十分です。 -
② “黒寄り”ならポータルに違反報告
仕返しじゃなくて、掲載情報を正すための手段として淡々と。通報(違反報告)に入れると強い情報
- 物件URL
- 問い合わせ日時
- 店の回答(例:「募集してない」「別を紹介します」など)
- ズレているポイント(例:条件が違う/成約済みなのに掲載など)
-
③ その店に固執しない(店を変えるのが最短)
ここが一番大事。“おとりっぽい動き”をする店は、他でも同じことをやりがちです。 物件じゃなく、店(担当者)を変えるのが一番早い。
店長の本音
「事故」で起きる“おとりっぽく見える現象”は確かにあります。だから最初から決めつけるのは損。 でも、黒い動きを感じたら、そこで粘らず店を変える。これが一番ストレスなくいけます。
じゃあ、あなたが一番得する動きは?
結局のところ、賢いやり方はこれです。
- 「通報するかどうか」は一旦置いて、まずは“次の一手”を優先する
- 店が誠実なら味方につける(条件を伝えて、最短で代替案を出させる)
- 対応が雑なら、そこで見切って店を変える(その方が早い)
一番避けたいのは、通報でスッキリしたつもりになって、いい物件を取り逃がすことです。
部屋探しで勝つ人は、怒りの処理より「次の行動」が早い。これに尽きます。
まとめ:悪意かミスかは、会えばわかる
私は、不動産業界のすべてがクリーンだとは言いません。
中には管理がズボラで、終わった物件を放置している業者もいます。
でも、「おとり物件だ!」と騒がれるものの9割は、悪意のないタイムラグか、不運なタッチの差です。
私たちも、お客様を騙して店に呼びたいわけじゃありません。
「いい部屋を紹介して、喜んで契約してもらいたい」
その気持ちは、あなたと同じです。
ネットの情報を鵜呑みにして敵対心を持つより、
「じゃあ、これより良い部屋探してよ!」
と味方につけてしまうのが、結果的に一番いい部屋に巡り合う近道ですよ。


