ネットにない「隠し物件」はある?現役店長が教える“不動産屋の裏側”と、いちばん賢い探し方

不動産屋の隠し物件の仕組みと賃貸物件の賢い探し方を解説する記事のアイキャッチ画像 不動産

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「ネットに載ってない“掘り出し物”ありますか?」
これ、来店したお客様から本当に多い質問です。

で、最初に結論から言います。
基本的に、“隠し物件”はありません。(ほぼ都市伝説です)

意地悪で隠してるわけじゃないんです。
今の賃貸業界の仕組みだと、店側に「隠すメリット」が1ミリもないからです。

【この記事で分かること】

  • 「ネットに載ってない物件ありますか?」が、なぜ“ほぼ無意味”なのか
  • 「店に行けば情報が多い」が、もう通用しない理由
  • それでも“例外的に”ネットに出ない物件の正体
  • 良い部屋に当たりやすくなる「最強の探し方(通知→即連絡)」のやり方

「ネットに載ってない物件ありますか?」←この質問が“ほぼ”無意味な理由

まずここ。
この質問をされるたびに、私はこう答えてます。

「もし“良い物件”を隠してたら、うちが損します」と。

理由:出し惜しみ=機会損失(オーナーが一番嫌う)

大家さん・管理会社が一番怖いのは、空室が1日でも長引くことです。
だから解約が出たら、基本はこう動きます。

  1. できるだけ早く募集条件を決める
  2. 図面や写真を用意する
  3. できるだけ多くの人に見せる(=反響母数を増やす)

この流れで、スーモやホームズみたいなポータルサイトに出すのが一番早くて確実です。
もし「良い物件だからネットに載せずに取っておく」なんてやったら、入居者を決めるチャンスをわざわざ捨ててるので、普通に怒られます。

「店に行けば情報が多い」は一昔前の常識。実はスマホの方が最強?

昔は「店に行かないと図面が見れない」時代でした。
だから“店舗が情報の中心”だったんです。

でも今は逆転してます。

情報の逆転現象:スマホ(ポータル)=オールスター戦

スーモ等のポータルサイトは、極端に言えば
日本中の不動産屋が持ち寄った「情報のオールスター戦」です。

一方、1店舗が見せられる情報は、ざっくりこうです。

  • 自社の専任(管理)物件
  • 他社の物件でも「紹介OK」になっているもの

ここで大事な裏事情が1つあります。

“紹介できない物件”は普通にある(独占・囲い込み)

実務上、こういうケースがあります。

  • A社が「専任募集」などで強く握っている
  • あるいは元付(管理会社)が「他社紹介NG」にしている(紹介制限)
  • 結果、別の店(=あなたが飛び込んだ店)では出せない

だから起きるんです。
「飛び込みで入った店のPCより、ポータルを全検索したあなたのスマホの方が“網羅性が高い”」という現象が。

※物件選びと同じくらい、「引越しの仕方」で損しないことも大事です。

現役店長の本音:「あなたが探して無いなら、私たちが探しても無い」

ここ、ちょっと残酷ですが、現場のリアルを言います。

よくある会話がこれです。

お客様「ネットで散々探したんですけど無くて…似た条件で他にないですか?」
店員(心の声)「あなたが全検索して0件なら、私が探しても0件です…」

私たちは魔法使いじゃないので、物件を“創造”できません。
条件を緩めない限り、物理的に存在しないものは出てこないんです。

「プロなら引き出しがあるはず」は半分正解で、半分幻想

プロにできるのは、せいぜいこの2つです。

  • 条件の優先順位を整理して「現実の落としどころ」を提案する
  • “地雷”を踏まないように、見えない注意点を先に潰す

「変な物件を掴みたくない」という方は、先にこちらの記事も読んでみてください。

【関連記事】現役店長が教える!『良い不動産屋』と『ヤバい不動産屋』の見分け方5選→ 担当者がどっちか、すぐ分かります

【関連記事】「家賃が安い」のには必ず“裏”がある。現役店長が教える『格安物件』の本当のリスク

それでも存在する「数%」の未公開物件とは?(唯一の例外)

「絶対にない」とは言いません。
ごく稀に、“ネットに出てない物件”に出会うことがあります。

でもそれの正体は、だいたいこれです。

未公開の正体=掘り出し物ではなく「入力ラグ(掲載待ち)」

たとえば、こういう状態。

  • さっき解約が出たばかり
  • いま図面を作っている
  • まだポータルに入力してない
  • 管理会社からFAXが届いたばかりの1枚

これって“隠してた”んじゃなく、単に「まだ出してないだけ」なんです。
狙って当てるのはほぼ運ゲー。
これ狙いで何店舗も回るのは、当選確率が低い宝くじを買い続けるのと同じで、コスパが悪いです。

【裏ワザ】新着物件を「連絡待ち」にするな!誰よりも早く気づく方法

「良い物件出たら連絡ください」
これ、気持ちは分かるんですが、正直弱いです。

店員も人間。見落としは起きる

不動産屋の店員も、ずっと画面に張り付けません。
接客中・案内中・電話対応中…普通にあります。

だから現実はこうなりがちです。

  1. 店が新着に気づく(遅れる)
  2. 連絡しようとしたときには、もう別の人が先に動いてる

最強の手段:ポータルの「新着通知」を使う

やることはシンプルです。

  1. スーモ等で希望条件を保存する
  2. 新着通知(メール/アプリ/LINE)をONにする
  3. 通知が来たら、そのURLを店に即送る

これをやると、あなたはこうなります。
「不動産屋から連絡を待つ人」→「新着を最速で見つけて投げる人」

この差、人気物件ほど致命的です。

結論:一番賢いのは「自分で絞って、答え合わせに行く」こと

「隠し物件」を探しに店へ行く。
これは、時間が溶けやすいです。

私が本気でおすすめする“勝ちパターン”はこれ。

スマートな探し方(これで勝率が上がる)

  • ポータル+通知機能で、希望条件をガッツリ絞る
  • 気になった物件はURL付きで「これ見たいです」とピンポイント問い合わせ
  • 人気物件なら「先行申込」も含めて判断する(ただし中身を確認)

「先行申込」は、言葉が同じでも中身が全然違うことがあります。
ここは知らないと普通に地雷踏みます。

【関連記事】「先に申込OK」はワナ?現役店長が暴露する“先行申込”と“先行契約”の地獄と天国

そして、不動産屋の役割はこう捉えるのが一番強いです。

不動産屋=物件を“探してもらう場所”ではなく、
自分が選んだ物件の“答え合わせ”をする場所(内見・審査・契約)

審査も絡むので、ここも先に知っておくと得します。

【関連記事】「賃貸の審査」ってぶっちゃけ何見てんの?現役店長が教える「審査落ち」の裏の理由と対策

最後に:今日からできる「行動」を置いていきます

最後に、読者さんが今日からできることを3つにまとめます。

  • 希望条件を「保存」して、新着通知をONにする
  • 気になった物件は、URL付きで不動産屋に投げる(待つな)
  • 「ネットにない物件ありますか?」より、
    「この条件で、候補を3つに絞るならどれですか?」と聞く

この聞き方に変えるだけで、会話の質が一段上がります。
“丸投げ”じゃなく、“相談”になるからです。

良い部屋って、結局「運」もあるんですが、
運を寄せる人はだいたい動きが早くて、聞き方が上手い。

あなたの次の部屋探しが、ちゃんと報われるように。
そのための現場の真実を、これからも『だいきの城』に置いていきます。

この記事を書いた人
現役不動産店長
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現役の不動産店長(業界14年・宅地建物取引士/2児のパパ)。
普通の不動産屋が口が裂けても言わない「業界の裏側」を、本音で発信しています。

「なぜ、あんな返答が返ってきたのか?」
「営業マンは、裏で何を考えているのか?」

お客さんからは見えない不動産屋の本音と事情を、
現場で毎日判断している店長の視点で、包み隠さず解説。
きれいごとは抜き。家探しで損したくない人のためのブログです。

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