【1. はじめに:「なんで二重取りなの?」その疑問、よく分かります】
「保証人不要にするために、お金払って『保証会社』使うんじゃないの?」
「なのに、なんで『保証人』も必要なの? まるで二重取りじゃないか!」
…そう感じている方、正直とても多いです。まず最初にお伝えしたいのは、これは決して「あなたが特別に疑われているから」ではありません。仕組み上そうなるケースがある、というだけなんです。
こんにちは。現役店長の「だいき」です。
今日は、この「保証会社+保証人」問題について、誤解されがちな「理由」と「仕組み」を、業界の本音でわかりやすくお話しします。アフィリエイト一切なし。安心して読んでください。
【2. 「二重取り」に見えるけど…実はそういう話ではありません】
まず結論からお伝えします。
見た目としては「二重取り」に感じるのですが、実はそうではありません。
多くの場合、それは「保証会社」が申込者(あなた)に対して、
「あなたお一人だけの信用力では、家賃保証を引き受けるのは少し不安です。ですので“保証人”という追加の後ろ盾をつけてください」
という判断をしている、という状態なんです。
これ、すごく大事なポイントなんですが、
これは「あなたをお断りします」という意味ではありません。
むしろ逆で、「あなたを通したいから条件を付けます」というサインなんです。
【3. なぜ保証会社は『保証人もつけてください』と言うのか?】
保証会社の役割はシンプルです。もしあなたが家賃を払えなくなった時、大家さんに代わって家賃を立て替えること。それが仕事です。
当然ですが、保証会社もビジネスです。リスクが高いと判断した方とは、そのままでは契約したくありません。
そこで、審査の中でこういうことが起きます。
- 年収がそこまで高くない
- 勤続年数がまだ短い
- フリーランス・個人事業で収入が安定しにくい
- 過去に家賃の遅れがあったことがある
こういった場合、保証会社は「ちょっとこのままでは心配だな」と判断します。
その結果、「保証会社だけで引き受けるには不安だから、連帯保証人もつけてください」という形になるわけです。これは“あなたを通すための追加条件”であって、嫌がらせではありません。
【4. じゃあ、なぜ『賃貸契約』のほうでも保証人が必要になるの?】
ここでよく出る疑問がこれです。
「保証会社が『保証人もつけてください』って言うのは分かった。
でもなんで、賃貸契約そのもの(=大家さんや管理会社との契約)でも保証人が必要になるんですか?」
理由は主に2つあります。
理由1:保証会社の判断に合わせているから
管理会社や大家さんからすると、保証会社は“家賃保証のプロ”です。
プロが「保証人をつけてください」と判断した相手に対して、大家さん側だけ「じゃあ保証人いらないです、ウチは単独でOKです」とは、なかなか言いづらいんです。リスクを合わせておきたい、というのが本音です。
つまり、「保証会社がそう言うなら、うちの契約でも保証人をつけておいてください」という動きが起きやすい、ということです。
理由2:家賃以外のトラブルにも備えたいから
保証会社がカバーするのは基本的に「家賃滞納リスク」です。
でも、賃貸で起こるトラブルってそれだけじゃないですよね。
- 近隣への騒音トラブル
- 室内設備を故意に壊してしまった
- ゴミ出しを守ってくれないことで近隣クレームが発生している など
こういった“生活トラブル”が発生した時に、大家さんとしては「連絡の取れる人」がほしい場面があります。
そのため、「何かあればすぐ話ができる人」として保証人を求められることがあるのです。
ここもかなり誤解されやすい部分なのでお伝えしたいのですが、場合によっては保証人というのは「何でも全責任を負え」という意味ではなく、「いざというときに連絡がきちんと取れる人を明確にしておきたい」という意味合いで求められていることもあります。必ずしも“フルで肩代わり”とイコールではないケースもあります。
(もちろん契約内容によっては連帯保証=重い義務になる場合もあるので、そこは契約前に担当者から必ず説明を受けてください)
【5. 誤解しないでほしいこと:全員が「両方必須」ではありません】
ここまで読むと「じゃあ結局、保証会社使うなら保証人も絶対なんだ…」と思うかもしれませんが、そうではありません。
実際にはこういうパターンもたくさんあります。
- 支払い能力に不安がない場合
→「保証会社のみ(保証人なし)」で審査は普通に通ります。 - 「緊急連絡先でOK」という落としどころになる場合
→ 「連帯保証人をつけてください」という厳しめスタートでも、状況をきちんと説明することで、「じゃあ“緊急連絡先”として親御さんの連絡先だけでいきましょう」という形でまとまることも珍しくありません。
ここは本当にケースバイケースです。
だから、「保証人を用意できない=もう無理だ」とあきらめてしまう前に、まずは正直に担当者に相談してください。
「保証人ではなく、緊急連絡先ではダメでしょうか?」
これはぜひ口にしてほしい一言です。交渉の余地があるところです。
【6. なぜ“本当の理由”は教えてもらえないの?】
「審査に落ちました」とだけ言われて、理由を聞こうとしても、はっきり教えてもらえないことがあります。
これには、言いたくても言えない事情があります。
理由1:法律的なリスクがあるから
「あなたの態度が少し不安だからです」「年収的に厳しいんです」などの表現は、あとでトラブル(差別だ、不当だと言われるなど)に発展するリスクがあります。だから具体的な理由は基本的に伝えない、という運用になっている会社が多いのです。
理由2:保証会社は内部の判断を開示しないから
保証会社にはそれぞれ独自の審査基準があります。過去の滞納情報なども共有されていて、その情報は外に出ません。正直なところ、不動産会社側にも「なぜ落ちたのか」の詳細が降りてこないことが普通にあります。
だから、「理由を聞いても教えてくれない」のは冷たさではなく、そういう仕組み上の問題なんです。
大事なのは、理由を深追いしても前に進めないときは、次に備えることです。家賃設定を少し下げる・必要書類をきちんと揃える・態度やマナーを見直す。この“次の一手”でちゃんと通ることも多いです。
【7. まとめ:まずは正直に相談してください】
「保証会社+保証人」は、冷たく聞こえるかもしれませんが、基本の意味は「あなたを通したいから安全策をつける」です。
あとは、“どこまで条件を軽くできるか”の交渉です。
そのために一番大切なのは、隠さないことです。
「フリーランスで収入が月によって結構変わります」
「実は過去に一度、支払いが遅れたことがあります」
「親に頼みにくい事情があります」
正直に話していただいたほうが、私たちは本気で守りにいけます。
逆に、あとから発覚すると、それだけで一気に通しづらくなります。これは本当に現場の感覚としてあります。
最後に、覚えていてほしいことがひとつあります。
不動産会社(担当者)は、あなたと大家さんの間に立って「どうやって通すか」を一緒に考える立場です。あなたの敵ではありません。味方につけてしまったほうが絶対に楽です。
「保証会社+保証人なんて、おかしくない?」と思ったら、怒るより先に一度聞いてください。
そこで「実はこういう理由なんです」と説明してくれる担当は、あなたのことをちゃんと通したいと思っている担当です。
その担当は、大事にして大丈夫です。

コメント